目標設定とごくごく基本的な考え方

以前、「B2B企業のウェブサイトの多くは「取扱説明書」ってどういうこと?」で「企業ウェブサイトの目的は『新しい繋がりを構築し、利益を創出する』こと」だと書きました。「そんな当たり前のことを言われても、だから?」と思われた方もいらっしゃったと思います。でも、その「当たり前」なことに対して、方策を取っていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば、バナー広告を掲載して一定のPV(ページビュー)を得ることができ、閲覧者のリストもターゲットが含まれていたとします。その中で次のアクション(広告した製品に対する問い合わせ、セミナーの受講登録等)があった割合はどの位だったでしょうか。さらに、アクションがあった方たちの中で、どの位の人が次のアクションを起こしてくれたでしょうか。

ウェブサイトが効果的であるかどうかが曖昧な場合、目標設定が曖昧なことがあります。例えば、「セミナーに誘致したい」「新製品の認知度を上げたい」というものから「会社のブランディングを構築したい」「FAQページを作ってサポート窓口の負担を軽減したい」などウェブサイトに望む内容は多いと思います。「これら全部を目標としたい」とおっしゃる方もいらっしゃいます。しかし、前述の内容は任意の期間を対象としたキャンペーン的な戦略が必要になりますし、後述の内容は長期的な視野で戦略の見直しと調整が必要になります。そして、これらの戦略をとる以前に、ごくごく基本的なウェブサイト運営の考え方を理解する必要があります。

日常的なウェブサイトの運営管理

事業形態、業種、取り扱い製品/サービス、ターゲットとする目的によって戦略は変わってきます。したがって、ここでは先ず上記の内容に関わらず共通して認識すべき基本的なウェブサイトの運営管理についてお話します。残念ながらウェブサイトは魔法のツールではありません。効果を出すには日常的なメンテナンスが必要になります。


上の図は目的とするウェブサイトの流れです。以前の記事でも書きましたが、ウェブサイトは閲覧者がアクションを起こしてくれるまでは1方向でしかありません。こちらからもコンタクトを取れるように閲覧者にコンタクトあるいは登録を促すまでが第一目標であり、基本的な運営管理になります。

①認知度の向上

当然のことながら、いくらウェブサイトを立ち上げても見てくれる人がいなければ戦略の立てようもありません。ウェブサイトの運営管理で真っ先にしなければならないのは、より多くの人に存在を認めてもらうことです。ここで苦労されている方も多いのではないでしょうか。
【第一の日常的作業】 SEO対策

②リピーターの増加

一般に接触率が大きいほど成約率は上がると言われています。営業の方ならお分かりいただけると思いますが、初見で購入してくださるお客様はあまりおりません。何度も通って互いに信頼関係を築いてようやく購入してくださるお客様がほとんどではないでしょうか。ウェブサイトも同じです。ウェブサイトに立ち寄る価値があることを示さなければなりません。
【第二の日常的作業】 コンテンツの見直し

③問合せ/登録者の増加

ウェブサイトは閲覧者がアクションを起こしてくれるまでは1方向でしかありません。こちらからもコンタクトを取れるように閲覧者に次のステップを促す必要があります。個人情報保護の意識が高い中、敢えて問合せ、登録を促すには相手がメリットを感じる特典が必要です。あなただったら、どのような特典があれば登録しますか?逆に何が「なかったら」登録しますか?
【第三の日常的作業】 特典企画の検討

④紹介者の増加

「紹介者」となる人は、あなたの会社のビッグファンです。当然ウェブサイトのリピーターですし、登録者でもあるはずです。見方を変えれば、ウェブサイトのリピーターで登録者でもある人は「紹介者」に成り得るということです。「紹介者」によってウェブサイトを訪問する人は、既にその人と信頼関係のある方の紹介なので、一気に①~②の段階を超えて既にある程度信頼関係を構築した③の方たちと同レベルになるので、紹介者の存在は非常に重要です。紹介者を募るキャンペーンは③を対象に絞り、ファンならではの特典を設けるのが効果的です。
【第四の日常的作業】 閲覧者(特にリピーター)の行動解析

以上が基本的なウェブサイトの運営管理になります。次回より、上記作業をもう少し具体的にお話ししていきたいと思います。

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